大学生が選んだ 2014年(後期)知財ニュース ベスト5

あけましておめでとうございます。

本年も宜しくお願いいたします。

 

皆さんは良い年末年始をお過ごしになられましたでしょうか?

 

私は、年末ギリギリまで仕事をしていました。

大晦日にようやく休みに入ったとたん、風邪でダウン。

正月休みはほぼ体調回復のための休養という感じでした。

 

年末年始にかけ、番組や雑誌などでいろいろなランキングが発表されていますね。

私も便乗して、ランキングを発表しみたいと思います。  

 

題して、「2014年(後期) 知財ニュース ベスト5」。  

 

某大学の後期に担当させて頂いた「知的財産法」という授業で紹介した71本のニュースから、学生達の目線で選ばれたものをランキングで発表させて頂きたいと思います。

 

では、早速5位から発表したいと思います!


 

第5位 中国のエボラ治療薬模薬品、特許情報見て製造か

富士フイルムが開発してエボラに効くのではと世界中の期待を集めている薬が、中国に模倣されていたのでは…というニュースです。

記事によると、WHOが気づいて示唆してくれたようで、その後よく調べてみたそうです。

その結果、富士フイルムが開発時に使っていたコード番号が中国の製薬会社の関連資料に記載されていたことが判明したとのこと。

富士フイルムの発表では、特許を侵害品かどうかは未だ不明とされているようですが、多分クロなんでしょうね。


 

第4位 ノーベル物理学賞に中村氏、天野氏、赤崎氏 LED発明

想像していたよりもランキングが低いですが、やはり外せませんよね。

発明者の権利を主張して、膨大な賠償金を得た中村修二さんを含めた3人がノーベル賞を受賞したというニュースです。

くしくも、このニュースのころに、社員の発明を会社のものにするための法改正のニュースが新聞紙上を賑わせていました。

因縁としかいえないタイミングでの出来事でしたので、授業でも結構な時間をとって説明しました。

その成果もあってか、学生達も興味をもってくれたようです。  


 

第3位 「FC2動画」を通じてTV番組を違法アップロードした男性を送致

動画の編集や配信が簡単になった現代の社会的背景を反映したこの事件。

「動画をアップロードしたことで逮捕されてしまうこともあるんだ」という感想が寄せられました。

学生に限らず、今年はさらに「動画」を活用する人が増えるでしょうから、ますます著作権法が無視できない時代になりそうです。  


 

 第2位 今度は「アナ雪」紙幣を販売した容疑、男を再逮捕

このニュースも、今年の流行を反映したものでした。

社会現象にもなった「アナと雪の女王」関連です。

アナと雪の女王の画像をうまく切り取って1ドル札に貼り付けたものを販売していたところ、逮捕されたというニュースです。

ちなみにこの犯人、「ワンピース」の画像を貼った1ドル札も販売し、別件逮捕されております。

授業では、「ワンピース事件」も紹介しましたが、こちらはランク外でした。


 

第1位 スティーブ・ジョブズ氏、死後も141件もの特許を取得!

やっぱりジョブズ、いろんな意味でスゴイですね。

「ジョブズ」という名前が入るとニュースになり、大学生たちが選んだニュースの中でも1位にランクインされました。

ちなみに、日本では意匠として保護されるものも米国ではDesign Patentとして保護されるため、141件のなかにはデザインに関する権利も多く含まれています。

例えば、ガラス張りのアップルストアのデザインが、ジョブズの死後に取得した権利に含まれています。


 

まとめ

ジョブズのニュースが1位にランキングされたのは、やはりという感じでした。

一年を通して知財ニュースを紹介してきましたが、アップル社の記事が多く取り扱われていましたので、しばらくはアップル製品の売れ行きは好調かも知れません。

その反面、ランキング入りこそしませんでしたが、日本の中小企業がアップル社を訴えた事件や、日本の個人発明家がアップル社相手に特許侵害訴訟で勝訴したという気になる事件も起こっています。

このようなニュースがチラホラ見られることから推察すると、アップル社の斬新さが失われつつあり、普通の会社になってしまうのではないかという予感がします。

アップル愛好家としては予想が外れて欲しいところなのですが…。

 

また、ライキング2位、3位に著作権のニュースが入っています。

今年はさらに個人が簡単に情報発信できる時代になるでしょうから、今まで以上に著作権絡みの事件が起こりそうな予感がします。

 

ランキング4位、5位のニュースを見る限り、日本の技術力はまだまだ世界に誇れるレベルにあるのかなと感じます。

特に5位のニュースで取り上げた富士フイルムが医薬や化粧品で成功しているように、これまでの技術分野にとらわれることなく自社の強みを別の技術に活かす動きがさらに活発化するのではと期待しています。

 

今年も、予想を良い意味で裏切る面白いニュースを紹介できればと思います。

引き続き、今年も宜しくお願いいたします!

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